ACHIEVEMENT
黒潮域の小型浮魚類の分布特性に関する論文が掲載されました
2023.06.01
マイワシ、カタクチイワシ、マサバ、ゴマサバなどの小型浮魚類から海水中に放出されたDNA(環境DNA)を定量分析し、黒潮周辺海域における小型浮魚類の分布特性を明らかにしました。魚類は周囲の水温によって体温が変化する外温動物であるため、一般的に水温に強く依存した分布を示すことが知られています。本研究の解析結果でも、マイワシ、カタクチイワシは水温に強く依存した分布を示しました。これに対し、マサバ、ゴマサバなどのさば類は、水温よりもカタクチイワシに強く依存した分布を示すことが明らかにされました。
マサバ、ゴマサバは成長とともに魚食性が増し、カタクチイワシを主餌料としていることから、さば類は餌料が得られる海域に分布を集中させることが推察されました。
研究内容詳細
https://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2023/20230601.html
論文情報
〈雑誌〉 Frontiers in Marine Science
〈題名〉 Environmental DNA in the Kuroshio reveals environment-dependent distribution of economically important small pelagic fish
〈著者〉 Zeshu Yu, Marty Kwok-Shing Wong, Jun Inoue, Sk Istiaque Ahmed, Tomihiko Higuchi, Susumu Hyodo, Sachihiko Itoh, Kosei Komatsu, Hiroaki Saito, Shin-ichi Ito*
〈DOI〉 10.3389/fmars.2023.1121088
〈URL〉 https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmars.2023.1121088